TN れぐり 最終213位 レート2011
初めまして。今回ポケモンSVのランクバトルにおいて、人生初の最終レート2000超えという結果を達成することが出来ました。嬉しいので、それに至った経緯や使用構築の所感などを、記念に記事に残したいと思います。
コンセプト
初手で起点を作りで積んで破壊する。以上!
構築経緯
- 4月初旬に禁止伝説ポケモンが使えるレギュレーションGが発表され、一般ポケモン中心のこの環境が終わる前に、何か結果らしい結果を残したいと思い立ったのが始まりでした。そこで、自分のような初級者でも扱いやすい並びが無いか探していた所、S16でたみにゃすさんが使用していた襷ランドで起点を作り剣舞ラオスと瞑想ドレキカミのダブルエースで全抜きを目指す構築が目に留まりました。 実際に試してみると使用感がとても良く、結果この並びを軸として構築を組み始めることにしました。
《シーズン序盤》
- しばらく上記の3体を中心に戦っていた所、初手にアンコールを持ったアシレーヌを合わせらせると苦しい展開になることに気付きました。そこで、ランドロスが作った起点からエレクトロビームで火力を上げつつ突破して、そのまま全抜きを狙えるパワフルハーブブリジュラスを裏選出に添えて最終日直前まで使用しました。
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また、相手のパーティーにタケルライコやハッサムが居るとどうしても窮屈な選出を強いられていたため、どちらのポケモンに対しても打点を持て、かつパオジアンやハバタクカミにも有利に戦えるフェアリーテラスチョッキエンテイを採用しました。
- そして最後に、パーティー単位で重い井戸オーガポンやママンボウ絡みのサイクル、受け系統などを崩せる挑発身代わりジャローダを採用しました。
《シーズン中盤》
- 上記のポケモン達で戦ってみた結果、キュウコンの壁展開やテツノツツミ入りへの対策が甘いと感じました。特にキュウコン入りの構築は中盤期によく当たったこともあって、かなり苦しい立ち回りをしていました。また、対タケルライコとハッサムについても、結局姿が見えただけでウーラカミのどちらかを選出できないことには変わらないので、選出の改善という面では微妙でした。
- そこで、まずハバタクカミのテラスタイプを原案のフェアリーから水へと変更し、ハッサム入りに対しても臆さず選出できるようにしました。...ただでさえライコはカミの瞑想でなんとかするしかないのに、余計対処し辛くするのもどうかと思いましたが、この変更についてはそれ以上に活きた場面が多く、ラオスの水技やパオの礫などに耐性が付くのは勿論のこと、ツタこんぼうを半減にして1ターンの隙を作ったりなど、かなり勝利に貢献してくれたのも事実です。
- 次に、苦手なキュウコン構築やタケルライコへの対抗策として、エンテイに代わって地面テラス珠パオジアンを採用しました。サイコファングで壁を破壊し、地面テラスでライコの電気技を透かしながら珠氷柱で等倍でも確2に出来る、最強の補完枠になると期待していました。...が、そもそもライコはこちらの電気テラスを警戒してか、電気技ではなく竜の波動を撃ってくることもあり全く安定せず、挙句エンテイが抜けたことでフェアリーの一貫を切れるポケモンも居なくなる始末。結果的に大失敗に終わった上に、ついでに不意のバトンパにもボコボコにされ、しばらく壁・ライコ・ギミック対策の三つ巴に苦慮する日々を過ごすことになりました。
《シーズン終盤》
- かなり迷走した結果、まず高速アタッカー兼キュウコンを壁を貼らせずに倒せるという条件を満たす、鋼テラバ達人の帯テツノツツミを使用してみました。ただ、そもそも壁を貼られる前にキュウコンと対面させるのが難しく、耐久と火力も中途半端でアタッカー性能に乏しい上、なんなら余計にライコが重くなったので失敗でした。
- そこで次に、珠呪いミミッキュを採用することで、壁を貼られた後に出てくるアタッカーに対するメタを強化する方向性に切り替えることにしました。ついでにギミック系統にも強くなり、苦手なポケモン達との差を埋める誤魔化し性能もあるので、感触としては悪くありませんでした。ただ、やはり純粋なアタッカーとして評価すると、どうしても構築のパワーダウン感が否めませんでした。
- これまで採用したポケモン達に共通する問題として、仮想敵以外への汎用性が乏しい点が挙げられます。補完枠として採用するのなら、ウーラカミの代わりに選出しても環境TOPのポケモン達と渡り合えるような性能じゃないと、やはり厳しいと感じました。何か良いポケモンが居ないか...最終日が迫る中、ネットの海を彷徨っていたその時、遂に求めていた条件を満たす革命的なポケモンに出会いました。
それが、こちらの記事で紹介されていたきあいだめオーガポンです。
- きあいだめは自身の急所ランクを2段階上げる技ですが、オーガポンのツタこんぼうの場合、元々急所ランクが+1の技なので確定急所となります。つまり、壁や相手の耐久上昇、こちらの攻撃ダウンなどを無視して大ダメージを与えることが出来るということです。更にそこから面影宿しで火力を底上げした場合、陽気252振り時の火力指数は172×100×1.2×1.5×1.5×2=92880と、水テラスC特化カイオーガの雨下潮吹きの91800を上回る驚異的な威力になります。重かったライコに対しても、超火力のツタこんぼう振るって瞑想の隙を与えず大きく削り、裏のカミの積みの起点にするといった動きがとれました。また、攻撃デバフを無視できるということは、ママンロンゲなどのような並びに対しても強く出ていくことができ、選出可能な構築の幅が非常に広く、使い勝手が良かったです。圧倒的な崩し性能と汎用性を両立した高速高火力アタッカー、それがこのきあいだめオーガポンです。
- 若干遠回りした気もしますが、紆余曲折を経てようやくしっくりくるポケモンに巡り会えました。ただ、このオーガポンを採用したことにより、長らく受け系統への対策を担ってもらっていたジャローダと、タイプと一部の役割が被ってしまう点が気になりました。そこで、新たに受けループや未だ勝率が危ういギミック系統への解答となるポケモンを探すことにしました。この枠は悩みに悩んで、色んな変態型を思案したりもしましたが、最終的にはくろまな滅びムウマージに落ち着きました。
- そして最後に、構築が少し前のめりすぎるのが気になったので、最終日直前まで愛用していたハーブブリジュラスを、カイリューやイダイトウ、テツノツツミなどをいなせる持久力チョッキ型に変更し、パーティーが完成しました!
個体紹介
ランドロス(れいじゅうフォルム)@きあいのタスキ
テラスタイプ:みず
特性:いかく
性格:ようき
実数値:165(4)-197(252)-110-112-100-157(252)
技構成:じしん/がんせきふうじ/ステルスロック/ちょうはつ
この構築の要であり最強の起点作り要員。威嚇とステロで裏のエースの積みをサポートします。ほとんど全ての試合に選出し、99%初手に投げていました。
このポケモンはとにかく強いポイントが目白押しであり、まず構築の並び的にタスキが警戒されないため、相手に型の誤認を誘発させられる点が強力でした。環境に居るランドロスは、オボンやチョッキ、スカーフなどを持ってサイクルを回す型がほとんどなので、完全に対面性能に特化したこのような型は相手に存在しない択を押し付けることが出来ます。例えば初手でパオジアンと対面した際、こちらはタスキで一発耐えることが分かっているのに対し、相手目線ではテラスタルやウーラオスなどへの交代も考慮した上での技選択を行わなければなりません。実際、初手パオジアンが素直に氷柱落としを撃ってくる確率は半々といった具合で、交代読みで絶対零度や電気テラバーストが飛んでくることも稀ではなく、かなり試合を有利に進めることができました。
そして最速ASという調整で使用することによって、環境に居る大体のウーラオスやサーフゴー、遅いオーガポンなどに対して相手の考慮外の素早さから行動できるのも強力でした。特にこの素早さからの挑発が非常に偉く、多くの起点作り役の変化技や中速エースの積みを阻止したり、交代で出てきたカイリューに対しても竜舞をさせずに岩石封じで起点にもならないため、かなり重宝した技でした。また、攻撃にもぶっぱしているので単なる起点作り役に留まらない性能があり、持ち前の攻撃力から繰り出す岩石+地震で初手の竈オーガポンや氷テラバイーユイを返り討ちにしたり、ステロ撒きっぽいブリジュラスを挑発ステロからの地震で大幅に削るなど、味方のサポートという枠を飛び越えエース級の活躍をすることも多々ありました。
総評して、起点作り役としては破格の性能を持っており、このポケモン以上に本構築と噛み合うポケモンは居ないと感じました。
ウーラオス(れんげきのかた)@しずくプレート
テラスタイプ:みず
特性:ふかしのこぶし
性格:いじっぱり
実数値:195(156)-200(252)-133(100)-64-80-117
技構成:すいりゅうれんだ/アクアジェット/アイススピナー/つるぎのまい
HB-特化パオジアンの弱点テラバーストを13/16耐え
A-特化
ランドロスから繋ぐエースその1。ランドロスが撒いた威嚇と高い防御で、多くの物理ポケモンを起点に積むことが出来ます。水技に関してはまさに異常とも言える火力を誇り、剣舞が成功した際の制圧力は極めて高いです。
しずくプレートと水テラスの補正込みの剣舞アクアジェットは、ノーマルテラスA特化鉢巻カイリューの神速を超える威力となり、具体的にはステロ込みでB4パオジアン、H252竈オーガポンが確定一発、HB特化カミですら31.4%で吹き飛ぶので、一度舞ったこのポケモンを止めるのはかなり難しいです。
言わずもがな水流連打の火力も異常であり、半減であろうと生半可な耐久じゃ生き残ることは出来ません。水テラスを切ったクレセリアを剣舞2積み水流連打でごり押したときは唖然としました。
アイススピナーの枠は当初はドレインパンチでしたが、撃つ機会がそこまで無かったのと、カイリューと対峙した際、相手側は基本テラスを切ってくることが無かったので、ステロが撒けていない状況下でもスムーズに処理することができる氷打点を採用しました。また、モロバレルや貯水ドオーなどにも強くなるため、この変更は正解だったと思います。
このように、多くのポケモンに対してテンポを取ることが出来るポケモンである一方、タケルライコやテツノツツミ、井戸オーガポン、自身より素早くアクジェで縛れない特殊高火力アタッカーなどといった一部のポケモンには滅法弱いため、活躍機会自体はとびきり多いというわけではありませんが、選出した試合では数々の戦果を上げてくれました。
ハバタクカミ@ブーストエナジー
テラスタイプ:みず
特性:こだいかっせい
性格:おくびょう
実数値:145(116)-54-94(148)-178(180)-156(4)-179(60)
技構成:シャドーボール/ドレインキッス/ミストフィールド/めいそう
HB-特化パオジアンの不意打ちを余裕を持って耐える程度
HD-特化ハバタクカミのシャドボール確定耐え
S-最速オーガポン抜き
C-余り
ランドロスから繋ぐエースその2。圧倒的な素早さであらゆる特殊相手に上から瞑想を積み、ドレインキッスでHPを回復しながらゾンビのように戦うポケモン。瞑想は、余裕があれば必ず2回以上積むことを意識していました。
構築経緯でも触れましたが、このポケモンは対応範囲を広げるべくテラスタイプをフェアリーから水に変更しているため、ドレインキッスの威力面に若干の不安はあったものの、それを差し引いても余りある活躍を見せてくれました。特に最終戦でウーラオスのアクジェを水テラスで耐えて勝利したあの瞬間は忘れられません。
ミストフィールドの枠は元々身代わりでしたが、ガチグマと対峙した際に、あくび読みで身代わりを押すという行動が相手依存で不安定だったため、あくびの有無を見てから対応できるミストフィールドへの変更は大いに役立ちました。副産物としてノーウエポンのドヒドイデにも勝ってくれました。
このポケモンはとにかく捲り性能が尋常ではなく、何度も絶望的な状況から逆転の3タテ劇を披露してくれました。総合スペックは本構築で間違いなく最強だと思います。
オーガポン(かまどのめん)@かまどのめん
テラスタイプ:ほのお
特性:かたやぶり(おもかげやどし)
性格:ようき
実数値:155-172(252)-105(4)-80-67-116-178(252)
技構成:ツタこんぼう/ウッドホーン/きあいだめ/アンコール
ランドロスから繋ぐエースその3兼、キュウコン入りやママンボウ構築の崩し役。
欲しかった要素を全て満たし、構築にがっちりハマった最高のピースです。最速ASなので雑に殴り合うだけでも十分な強さを発揮する上、耐久系の構築にはきあいだめを積んで破壊を行えるハイブリッドな点が魅力です。
純粋な火力面で比較すると、きあいだめには剣舞ほどの爆発力はありませんが、対壁構築などを想定した場合、剣舞で攻撃を2段階上げても火力は壁のダメージ軽減と差し引きプラスマイナスゼロなのに対し、急所に当てた場合であれば耐久バフを無視した上に1.5倍の火力増強を押し付けることが出来ます。相手のペースに巻き込まれることなく安定した高火力打点を連発できるというのは、この型ならではの強みだと思います。また、急所ランクの上昇は天然や黒い霧にも無効化されないため、剣舞型では出来ないような柔軟な立ち回りも可能になります。
サブウエポンとしては、岩石じゃれつく叩きなど色々悩みましたが、きあいだめを積めば炎草の打点だけでも十分戦えると感じたので、積みの隙を作りやすいアンコールを採用しました。
採用したのが最終日直前なのにも関わらず、ラスト数戦だけでもこのポケモンが決めてくれた試合が2回もあり、このポケモン無くして今回の結果はあり得なかったと思います。
この素晴らしい型を考案されたMなかさんの記事も是非ご覧ください。
【ポケモンSVシングル】イ ン テ レ ポ ン - 受けルガチアンチ
ムウマージ@たべのこし
テラスタイプ:みず
特性:ふゆう
性格:おくびょう
実数値:145(76)-58-112(252)-110-125-162(180)
技構成:くろいまなざし/ほろびのうた/みがわり/まもる
H-16n−1
S-最速グライオン抜き
B-余り
受けループ、バトンなどのギミック構築をメタったポケモン。テラスタイプを水にしている理由は、主にヘイラッシャからのダメージを軽減するためです。このポケモンは特に対グライオン性能が優秀であり、テラスを切った後でも相手からの打点を完全にシャットアウト出来るのはとても頼もしいです。
最終日は一度も選出機会がありませんでしたが、このポケモンが居てくれたおかげで精神的にかなり安定した心持ちで潜ることが出来ていたので、採用していて良かったです。
ブリジュラス@とつげきチョッキ
テラスタイプ:フェアリー
特性:じきゅうりょく
性格:わんぱく
実数値:197(252)-125-200(252)-130-86(4)-105
技構成:ヘビーボンバー/ボディプレス/イカサマ/10まんボルト
ブリジュラス枠。このポケモンは、元々パワフルハーブを持った最速CSアタッカーとして使用しておりそれはそれで強かったんですが、この構築の基本選出だと、初手の鉢巻カイリューにランドロスがマルスケを剝がせず倒されるとキツいことに気付いたため、最終日にこちらの型に変更しました。物理耐久に特化している上に特殊耐久もチョッキで補っているためかなり倒されにくく、パーティー単位で重めだったイダイトウやテツノツツミにも強くなったので、使用感はとても良かったです。相手の盤面を荒らすことに長けているため、スイープ性能のあるオーガポンとよく一緒に選出していました。
技構成についても、カミに撃つヘビーボンバー、特性とシナジーのある高火力打点のボディプレス、強引に積んで突破しようとしてくる相手を咎めるイカサマ、ヘイラッシャやドヒドイデなどの水タイプへの打点になる10まんボルトと、隙の少ない仕上がりになっており、一夜限りの出動にも関わらずかなり活躍してくれました。
選出
- 基本選出
主にBIG6系統やラオスが止まる相手が居ない場合はこの並びで完結していました。
- ママンボウ構築、サイクル系統 ランドでステロを撒いてからオーガポンで崩すプランを取り、クッション役としてブリジュラスを選出します。
- 受けループ、バトンなどのギミック系統
@2
この構築は1%の確率でムウマージが初手に登場します。戦闘が始まったらまず相手の変化技警戒で身代わりを押し、そこから相手をキャッチして処理します。バトン相手には滅びの歌を聞かせるだけでも十分仕事を果たせます。
重いポケモン
- ヘイラッシャ
なんとかオーガポンを合わせてテラスを切らせるか、複数体がかりで削る必要があるので立ち回りが結構難しいです。
- 毒菱オオニューラ
エース全員に毒菱が刺さっている上にランドロスよりも速く、展開を阻止できないため対処が難しかったです。
- 井戸オーガポン
ラオスカミが不利を取ってしまい、オーガポンでも対面処理はほぼ不可能なため、なんとかブリジュラスでいなしてから積みの隙を作る必要がありました。(ステロ込みのテラス+1ツタこんぼう急所でH252水テラスオーガポンが確定1発)
おわりに
SVが発売されて以降、長らく目標にしていたレート2000を、今回ついに達成できて本当に嬉しいです。この結果を残せたことで改めて感じたことは、やっぱり「ポケモンの記事を書く人って偉大だなぁ」ということです。
今回の構築を組むにあたって、数々の構築記事や考察記事の要素を多分に参考にさせていただいたので、結果的に自分にとって満足の行く形にまとめることができました。独学では確実に無理でしたし、自身の戦術や考え方、発想を文章にして世に公開してくださる方々には本当に頭が上がりません。その情報を後のプレイヤーが活用し、また新たに記事を書いて次に繋げていくといったこの文化は、私のような素人にとって非常に頼りになる道標になりますし、ポケモン対戦界隈におけるかけがえのない財産だと思います。
初めてのブログ執筆ということもあり、書きたいことを全部詰め込んだので長くなってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました!